コマースチャンネルvol36
ソーシャルコマースPF/農家のネットワーク(仕入れ、経営支援など)/フルフィルメント型LaaS/EC企業向けキャッシュフロー改善サービス/ローカルビジネス向けのマーケ支援SaaS
コマース領域の調達ニュースをお届けします(日本でも投資したいと思う企業をpickしてます。関連領域で起業している方/準備中の方ぜひ、ご連絡ください!!)
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①ソーシャルコマースPF(SNS×ECアフィのUX)「LTK」
設立年:2011/米国
調達金額:300Mドル(Venture - Series Unknown) @$2B
主要投資家:SoftBank Vision Fund, Maverick Ventures, Bernay Box
事業概要:
インフルエンサーのECリンク付き投稿がアグリゲートされているマケプレです。インスタグラムのEコマース注力を先取りしたようなプロダクトとなっています。アパレル、美容、ライフスタイルを中心とした5000の小売と100万以上のブランドと取引があります。ブランドや小売事業社は独自でインフルエンサーに還元する手数料率(売上の10-20%)を設定します。LTKはその一部を収益として計上するモデルです。2020年にはPF経由の流通額は$3B(100カ国展開)に及び、その恩恵を受けたクリエイターから過去130人以上のお金持ちも誕生しているそうです。
一言コメント:
SNS×ECアフィの切り出しというオーソドックスなソーシャルECサービスです。今後の大手SNSのEC参入に対する戦い方に注目です。
記事リンク:
https://jp.techcrunch.com/2021/11/24/2021-11-22-creator-driven-marketplace-ltk-now-valued-at-2b-after-raising-300m-from-softbank/
②農家のネットワーク(仕入れ、経営支援など)「Farmers Business Network」
設立年:2014/米国
調達金額:300Mドル(Series G)@$3.9B
主要投資家:BlackRock, T. Rowe Price, Temasek Holdings, Fidelity Management and Research Company, GV
事業概要:
農家をネットワーク化し仕入れや資金繰りの支援をしています。会員には無料でなれ現在3カ国にわたり3.3万人存在します。会員に対して農業経営に係る一連のプロダクトを提供しています。具体的には仕入れ機能(種、肥料、餌など)、金融サービス、マーケティング支援、保険サービス、経営分析機能、コミュニティ等のサービスを提供しています。特に仕入れについては、drect-to-farmerを掲げ、メーカー直送で価格透明性も高いのが特徴となっています。現在800人の従業員がおり、来年350人を採用していく計画です。
一言コメント:
特定コミュニティに根ざしてワンストップサービスのポジションを築くのは横展開性がありそうです。
記事リンク:
https://www.finsmes.com/2021/11/farmers-business-network-raises-300m-in-series-g-funding.html
③フルフィルメント型LaaS「Deliverr」
設立年:2017/米国
調達金額:250Mドル(Series E)@$2B
主要投資家:Alumni Ventures, 8VC, Tiger Global Management, Coatue, Activant Capital
事業概要:
EC企業向けにフルフィルメントサービスを提供しています。全国に80の配送拠点(rent)が有り2日以内配送を実現しています。また、多様な販売チャネル、OMSとの接続性も特徴的で業務を効率化します。導入したEC企業は即配対応が可能となりユーザー満足度が増すことから、CPA低下や売上向上が見込めます。同領域には複数企業が存在しますが、Deliverr自身は特徴としてAIを用いて需要予測し在庫配置の最適化に取り組んでいることを挙げています。調達資金で翌日配送のフルフィルメントを強化していく予定とのことです。
一言コメント:
フルフィルメント as a service領域ではFabric、Stord、Shipbobなど続々ユニコーンが出てきています!!
記事リンク:
https://venturebeat.com/2021/11/22/deliverr-raises-240m-to-grow-its-ecommerce-fulfillment-network/
④EC企業向けキャッシュフロー改善サービス「Settle」
設立年:2019/米国
調達金額:75Mドル(Series B)
主要投資家:Ribbit Capital, Village Global, Kleiner Perkins, Founders Fund, Stripes
事業概要:
EC企業向けのキャッシュフロー改善サービスです。具体的には取引先への支払いを30-90日先延ばしにできるサービスです(SETTLEが代行して期日に取引先への支払い。導入企業は後日、SETTLEに返済する仕組み)。そしてこれらは全て管理画面が用意されており(既存の会計システムとも接続)デジタル上で手続きが可能となってます。また、バーチャルカードも用意されており、それを利用して支払うことも可能です。マネタイズは、トランザクション数に応じて3段階の月額プランが用意されてます(free、$90、$290)。SETTLEはBNPLのAffirm与信部門ヘッドが創業した会社で2020年にリリースし、現在、500以上のブランドと取引があるそうです。本領域は、RBF(RevenueBasedFinance)と呼ばれる未来の売上を前倒しして入金する切り口でのキャッシュフロー改善企業の”Pipe”や”Uncapped”、"Clear.co"資金調達しており盛り上がりを見せてます。
一言コメント:
コマース×ファイナンス支援領域、日本でも盛り上がってきそうです!
記事リンク:
https://www.cbinsights.com/research/settle-series-b-funding/
⑤ローカルビジネス向けのマーケ支援SaaS「Podium」
設立年:2014/米国
調達金額:201Mドル(Series D)/@3B
主要投資家:Sapphire, GV, Y Combinator, Accel, Institutional Venture Partners
事業概要:
ローカルビジネス向けにマーケ支援SaaSを提供しています。具体的には来店顧客とのSMSコミュニケーションを支援し、顧客対応、販促キャンペーン案内、レビュー催促、決済までを可能とします。現在10万を超える個店が顧客となっており、米国人の3人に1人はpodiumによるSMSを受け取っているなどの規模感で、そのARRは$100Mに及ぶそう。近年オフラインのPOSにも進出するなど、個店のビジネス支援のone-stop PFを目指しているそうです。
一言コメント:
個店のDXはshopify等も取り組んでおり、今後オンオフ横断の体験を提供するenabler領域はますます熱いです。
記事リンク:
https://www.cbinsights.com/research/podium-series-d-funding/
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